「許せねぇな…。」 和馬は拳を作ると力を入れた。 李斗も隣で難しい顔をしている。 「和馬、いいよ。」 あたしは和馬を宥めて立ち上がっているのを座らせる。 何も知らない国語の先生が眼鏡の奥から鋭く目を光らしていたからだ。 「本当に大丈夫なのか?」 「うん。」 李斗たちの気持ちは嬉しい。 だけど、犯人が誰なのかわからないのだから意味がない。