その会話にため息をつきたくなった。 みんな、本当のアリスを知らない。 ズキズキと胸が痛む。 「強くねーよ…。」 「えっ?何か言った?」 「何も言ってねぇ。」 「………?」 李斗が何か言った気がして、首を傾げた。 きっとあの頃、あたしは。 強がる事で自分を守っていた。 守っているつもりだった。 だけど、いつまで経ってもしがらみから抜けることはなくて。 寧ろ、自分の言った言葉に傷ついて生きていた。