パシッ…! 「李斗のバカっ!」 顎を持つ李斗の手を軽く手の裏で突っぱねた。 もう、ドキドキなのと泣きそうなのとで。 何が何だかわからない。 あたしは教室を後にしようと走り出す。 だけどその腕を李斗が掴んだ。 「どこ行くんだよ…!」 「離せバカっ!」 でもあたしはその腕も振り払うと、赤くなった目で叫んだ。 このままここにいたら、何だか泣いちゃいそうだったから。