少しワックスを手に取って、手の平にのばす。 「女性用だけど、この際ガマンしてよね。スタイリング用だから大丈夫と思うけど。」 李斗の細いけどしっかりした髪を少しツンツンとセットしながら言う。 李斗の後ろ姿が、何だか子犬みたいに見える。 何か可愛いかも。 セットしながらそんな事を思った。 「………。」 何も喋らないのかと思っていると、李斗の首がコクリコクリとゆっくり動いている事に気がついた。