「実はね、大賞とったデビューの作品ってね…―――。」 ごにょごにょと由香に耳打ちされる。 「えぇええぇ!?」 由香の言葉を聞いたあたしは思わず大声を出してしまった。 あたしの声で、クラスの視線が集まる。 「ほ…本当に?」 余りにもびっくりし過ぎて本当かどうかも分からない。 「うん☆本当だよ!」 なのに由香ってば笑顔でそう答えて… あたしはそんな由香に、何だかめまいが起きそうだった。