いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

自分を蔑んだ人への敵意ではなく、今の幸せを見つめる沙良木の横顔は綺麗だった。祝福するような日差しを受けて、穏やかな微笑みは柔らかい光に包まれていた。心の美しさは外にまで現れる。

私はどうだろう。
悪意に呑まれていたのかもしれない。行き場のない苦しみを魔物に振り下ろし、果てにはいじめてきたやつをこの世から消そうとしていた。

沙良木はいじめてきたやつらに対して一言も悪口を言ったことがないのに、私は聞こえるように何度も頭が悪いとか言ってしまっていた。沙良木は成績がいいのを鼻にかけることなく、どんな成績であっても決して馬鹿になんかしない。

そうだ、沙良木がいじめられていて私がこっぴどく言い返したときも、そんなことしなくていいとなだめていたくらいだ。
もしも高校での言動を知られてしまったら幻滅されるかもしれない。

そんなことに気付くと、私は途端に高校での言動が恥ずかしくなって沙良木と目を合わせることができなくなった。

覚悟は決めた。沙良木にふさわしい人になろう。
言い返すにしても見下したような言葉は使わない、不幸を願ったりしない。

一度初めてしまった魔物退治については後に引けないけど、さっさと終わらせて復讐はもうやめておこう。あいつらのために貴重な時間を使いたくないし、もしも魔法で殺して存在が消えるのではなく行方不明扱いになったら私が噂されてしまいそうだ。

それでも沙良木はきっと、行方不明になったことは関係ないと信じてくれるだろう。私が関わっていることは本当なのに、疑うことなくいつも通りに接してくれたら居た堪れなくなってしまう。

私の目標は沙良木と穏やかな生活を送ること。魔物退治の意味は沙良木の不安を取り除くため。このことを忘れてはいけない。