いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

沙良木の部屋はカーテンが開け放たれていて、整えられた部屋に明るさが行き渡っていた。

昔は花柄の刺繍がされた重いカーテンで閉ざされていたのだ。それを思うとカーテンの変化は沙良木の心の解放度を感じさせる。もう心ない言葉が外から漏れ聞こえることもないし、安心していいのだ。

私の家とは違う畳の床を踏み、刺繍の入った座布団に腰を下ろす。
しばらくはお菓子を食べながら動画を見たりしていたけど、興味のある動画もなくなってきた。

「どこか出かけたいところはある?」

こう聞かれた時、ないと答えて家にいることばかりだったけど、お母さんにはああ言ったから疑われないように何か買っておきたい。

「沙良木がいいなら本屋さんに行きたいかな。いい参考書とか教えてほしい」

「いいよ。ちょっと準備に時間が要るけど」

言われなくても当然待てるけど、気になったのは棚から膨らんだポーチを持ち出したこと。鏡を立てると、化粧下地どころかマスカラやアイシャドウなど基礎以上のものを取り出した。

「え、そこまでするの?」

いや、男子が化粧するのはおかしいと思った訳ではなく、予想もしていなかったからだ。沙良木は元から整った顔をしているから、少し傷跡を隠すだけで一線級になる。

これ以上盛る必要なんかないのだけど……。