いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

すると突き当たりの鏡から、男とは真逆の白い腕が伸び出てきて、抱きしめるように中へ引き摺り込んだ。

どういうこと!?
予想もしなかったことに動揺していると、白い女が飛びかかってきた。

白く細い腕からは考えられないくらい強い力で首を絞めてくる。

本気で殺しにかかってる!
すぐさまナイフを取り出すと右手の指を切りつける。細いとはいえしっかり骨の通った指だったけど、魔法で強化された今は切断できた。

片側が解放され少しだけ息が通る。
今度は魔法を足に集中させ、鳩尾に潜り込ませた足の、爪先で蹴り飛ばした。

やっと女から逃れ、とっさに作り出した大きな盾に身を隠しながら息を整える。
呼吸困難だったとは思えないほど頭は動き、生き残る道を探し出せた。普段の勉強では使わない部分まで活用した気分だ。

不思議なことに女は後ろに回り込んで襲うことはなかった。廊下には私の呼吸音だけがある。

息は整ってきたけど、今日再び戦えるかと聞かれると無理だった。女を見るため盾から少しだけ目を出すと、何も感じ取れない無表情で突っ立っていた。

今はこんな状態でも強く首を絞めるほどの力があるのだ。私は歯を食いしばって背を向け、まっすぐ走り去った。

絞められている最中はあんなに頭が働いたのに、解放された今は疲労のせいか逆にぼんやりしてしまう。

今の状態で魔物に襲われたら、返り討ちどころかまともに抵抗できるかさえ怪しい。
警戒しながら学校を出て、校門の脇で立ち止まってスマホを取り出した。

手帳型のケースを開いたところ、内側の鏡に指の跡が張り付いた首が映り、ぎょっとする。

首に張り付いた殺意は、ストレス発散のつもりだった私に、命の奪い合いであることを突きつけてくる。

死んでも次の日には元通りになるかもしれない。しかし死んだこともないから元通りになるという保証はない。