いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

しばらくすると棒状のものはしなやかになり、渦を巻いて近づいて来る。

強く吸い込まれたのを見ていた私は、ナイフで切りかからなくてよかった、と息をついた。ナイフを腕ごと、最悪の場合全身を持っていかれバキバキにされていたかもしれない。

伸びて来るそれを見ると、誘うようにぶら下がった手の甲があった。

また何か仕掛けがあるものと思って迫りくる手から距離を置く。
伸びてきた手はピタリと止まると、ゆっくり収束していった。

その手に合わせて歩み寄っていた私は槍を突き出しながらさっきよりも近付く。
三十センチ程だけど吸い込まれる気配はない。換気扇に似た淡い風が吐き出されているような感触だけはあった。

手の先から腕を上ってくる冷気。身震いしてから槍を下ろす。

そういえば折れにくいシャー芯を思い出した。素材まで再現できるなら……

ダイヤモンドが混ぜられているはずの長く黒い棒を生み出し、槍から持ち替える。
勝手に吸われるのだからあまり狙いをつけずに投げ込み、先を見守る。

予想通り吸い込まれて車輪のような男の腕に長い棒がつっかえる。その場で空回りするような男に、とどめを刺す気ばかりで駆け寄った。