いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

槍で切った風は自販機で人気のソーダより清涼感がある。
命中して魔物が消滅する光景は、どんな甘いものより疲れた心に染み入る。

魔物を一息に切り捨てた後、立ち止まってその心地良さを噛み締めていた。

それを邪魔するように肩に何かがのしかかって来た。ナイフに持ち替えるより早く唇をこじ開け、歯を押し上げようとする。

強烈な酢の匂いにむせそうになるも、これ以上口を開けたくないから堪えて唇に力を込める。

唇で魔物の手を強く挟み込み、勢いよく頭を振った!

床に振り落とされ背中から落ちた魔物をナイフで一突き、拭うまでもなく酢の匂いは消え去った。

明日は無理矢理口に突っ込まれる予定があったから、予行練習というかストレス発散の前借りというか。

今日みたいに床に叩きつけたら後始末が大変だし、海堀たちだけが汚れるようにしないと。
風呂場のシャワーで練習しようか、なんて馬鹿なことを考えながら廊下を歩き、自分の教室に差し掛かる。

何事もなかった視界に異常が現れた。
私の前に黒い線がつっかえてある。焦点を合わせると、黒ずくめの男が大の字になって壁に長い手足をつけているのがわかった。

うすら笑みを浮かべながら側転するように後退し、奇妙なことに黒い帽子は微動だしていなかった。

襲ってくるどころか後退するし、何より気味が悪くて手をつけづらい。

襲ってこないなら急を要するものでもない。
前から槍を投げてみたいと思っていたので、この機会に試してみよう。

首に狙いを定めて槍を投げる。

槍は勢いよく胸元に飛び込むも、脇辺りにひゅっと吸い込まれてしまう。それから黒い棒状のものが伸び出てきて、棒と手足に引っかかけられた槍は回転と共にバキバキと音を立てて曲げらた。