いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

すぐさま飛び上がり、ずっと掴んでいたナイフに槍に戻れと念じる。

着地してしまう前に槍を壁に突き刺して左手は壁に手をつき、足は窓のへりに乗せていた。きつい体制で壁に張りついているけど、魔法のおかげか難なく維持できていた。

声がした時壁に正方形の出っ張りがあった。床をくり抜いた部分のような……。

床の凹みはぐにゃぐにゃと再生している。それに対して出っ張りは壁に溶けようとしていた。

今から急いで攻撃しても間に合わない。ここは見送ろう。次はどう出てくるかと警戒して辺りを見回す。

すると怪しい予感がして心臓が警告を打ち鳴らす。
鉄が歪むときのように壁からふつふつとしたものを感じ、すぐさま足と左手を引っ込めた。槍の柄は木製で、壁に刺さっていると重みでしなって落ち着かないから、急いで鉄製に変える。

すると槍を刺している壁がぐにょぐにょと動き出したからすぐさまナイフに変え、壁の支えを失ったナイフと私は空中に浮かんでいた。

スローモーションになった視界で状況を把握し、ナイフを掴んでから横になって受け身を取った。足が着地すると予想されたところに穴が開けられていたけど、そのくらい私もわかっている。

次の穴に備えてすぐさま起き上がったものの、その気配はない。槍のための小さな正方形と足を捕まえるための正方形がゆっくりと動いているだけだった。

追いかけて横に並ぶのにも時間はかからなかった。

私に見つめられると怯えるようにぐにゅぐにゅと震えていた。

こいつが身動きを取れないようにしたのか。
ナイフを振りかぶり、大きい方を力一杯突き刺した。

深く突き刺したはずなのに消滅することなく壁に溶け出し、刺した傷も再生しようとしている。また小さい方は壁に消えつつあった。