いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

それに対してあいつらは人を傷付けてものうのうと楽しんでいる。何もしなくても楽しい学校生活が保証されている。

もう沙良木に会えないのだろうか。
意味のわからない罠にはまり続けて、時間を無駄にするのか。
こうしている間にもあいつらはつるんで、私はたった一人の大切な人に会えない。

やるせない気持ちが迫り上がってくる。

どこからか不気味な声が聞こえてきた。甲高い声で意味のわからない言葉を繰り返している。

諦めなよ

意味のない音の繰り返しの途中、一つだけ理解できる言葉があった。
偶然ではなく、意味のない言葉の合間にまたそれが聞こえてきた。

「冗談じゃないわよ。なんであいつらがまかり通って私にはこんなことが降りかかるのよ……!」

真剣な訴えを先生たちに押し込められたときと同じ怒りが蘇る。

私だけこんな目に遭うのは不公平だ。こんなところで無駄に人生を送る訳にはいかない。

願えばこの鉄の棒だって曲げられるかもしれない。

踵側の棒を掴み、曲がれと強く願う。
ひんやりとしていた棒は熱を帯び、ふつふつと沸騰するような感覚が指に伝わる。

力を込めて後ろへ引っ張るとぐにゃりと歪み、踵を上げてつるりと足を抜き出した。