いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

その後一井と窪田は連れ立って、財布を盗まれた男子に迷惑料の百円を渡しに行っていた。

彼の中では金も払われたから帳消しにされたことだろう。それに窪田だけでなく一井もいるのだ。

もしも先生に話を聞かれたとして正直に話すだろうか。
彼の天秤にかければ、正義感よりも一井の口止めが勝る気がする。

正直に言うのは正しいことだし、先生の好感を得られるかもしれない。しかしこの学校では正義感と成績なんて綿のように軽いものだ。

なんとか卒業して就職先が見つかればいいと考えている人ばかりの学校で、先生の機嫌を取りにいくものなのか。
正義感のために一井を不利にできるだろうか。

「三河ちゃん……さっきの話本当?定期とか盗んだ窪田さんの方が悪いんじゃない?」

「うん。まさかあんなことしてくるとは思わなかった」

「先生に言った方がいいよ!うちらも見てたし絶対あいつらの方が立場悪いから!」

綾瀬は私の顔を真っ直ぐな目で覗き込んで何度も強く頷く。
今は加勢してくれるけど、先生に言った後五人に脅されても変わらないでいてくれる保証はない。

それならそれだけということだ。