いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

「三河が犯人かと思ったのに」

「いやそれこそ容疑者から外れるために自分のも盗んだんだろ」

「三河ならやりそう。雪田のを盗んだのも復讐だろ」

「陰湿だな」

「陰キャの復讐って感じだな。敵に回さないようにしよう」

犯人の疑いもかけられるなんて踏んだり蹴ったりだった。

雪田たちが復讐されるようなことをしているのはわかっているんでしょ。先生にバレないようこそこそといじめられていたのを見ていたよね。

復讐だったとしてもなんで私が陰湿だなんて言われなきゃいけないのかしら。先に仕掛けてきたのはあっちなのに。

とにかく先生に報告しないと……報告はすぐにしなければいけない。でも先に弁当を食べたい。戻ってくるかわからない盗難事件のことで弁当を食べ損ねるのは嫌だ。

戻ってこないような気がする。犯人が見つかったとか戻ってきたって話を聞いたことがないから。

盗難したことがばれたら学校に居づらくなるから、犯人が判明しても生徒には隠しているだけかもしれない。

ふと、盗難の犯人は守られるのに自分たちは野放しにされていることに気付く。俺はお前らを信頼しているからと。
入学して一ヶ月の頃から既に言っていた。何の根拠があってそんなことが言えるのか。

信頼していいようなメンバーじゃない。
生徒だけで解決できるような力を持つクラスじゃない。

「三河はそんなことしないって知ってるよ。定期盗まれて本当にショック受けてるもん。ほら〜駄目じゃん、物の管理はしっかりしないと。SHLで散々言われてきたでしょ?」

後ろから忍び寄ってきた窪田に振り向くと、私が探し求めていた鍵をぷらぷらと見せつけていた。