いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

先生から解放され、自分の席で項垂れる。
五人が来る前に友達のところに行った方がいいかな。

それでも今日は葛田もいるから行きたくない。

迷っている内に窪田が来て教室に五人全員揃う。
入ってきたのを見た途端、財布盗まれたから返せないかもと言っていた。窪田はそれに驚く様子もなく、にやけ顔を崩さない。

私が鍵をなくしたことも当然教える。
これは確実に来るコースだと思い、咲洲にも誘われたことだから向こうに避難する。

弁当箱と椅子を引いていく途中、ちらりと雪田の様子を見ると、窪田のスマホを見て笑っている。ろくなことはではないと思うけど、やけに突っかかってくるのが遅い。

絢瀬は横につく私に災難だったねーと労ってくれるので、休み時間少なくしちゃってごめんねと謝る。

内心怒っているだろうけど、立ったままでも周回できるからと笑い飛ばしてくれる。坂田は無反応だけどこのことに腹を立てる性格ではない。

「そういえば三河ちゃん定期確認した?」

咲洲に言われて思い出す。そうだ、思い切り忘れていた。

「近くから見てて取りやすいからさ」

「ありがとう」

防犯も何もなく、リュックサックにそのままぶら下げていた定期入れ。腰を下ろして穴の空いた透明な窓を覗くと、定期がなかった。

「ない……!」

「三河ちゃんー?」

「定期盗られたかもしれない……!」

視線が集まる。
坂田までもが箸を止めて私を見つめていた。