いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

来る途中に落としたかと思い床に注意を払いながら戻る。見つからないまま科学教室に辿り着き、昼食のためさっさと帰ろうとする先生を運良く引き留めた。

先生から鍵を借り座っていたところを探し回るけどない。

初めての当番でつまずいて軽く焦る。
みんなの昼休みを奪うことになり、責められるかもしれない。

こんな失敗五人が見逃すはずがない。
とにかく、拾った人が職員室の鍵置き場に持って行った可能性もある。急ぎ足で職員室に行くと科学教室の鍵を返し、一年生の教室の鍵を見る。

一年二組……ない。

板から突き出たフックが手ぶらなのを見て、焦りが心に突き刺さる。

担任はいないし、聞いてもどこにいるかわからないらしい。

もしかしたら鍵を持っている人と入れ違いになっていて、今は教室が開いているかもと淡い期待を抱いて戻る。

階段を上り終え、曲がり角に隠されていた教室前が姿を現す。

期待は砕け、教室の前ではクラスのほぼ全員が立っていた。
担任探しに走り回るのかと思うと徒労感が押し寄せてくる。

鍵ないのー?と疑問の視線が投げかけられる。
すると人だかりを見た学年主任が事情を聞いた。

学年主任は一年全クラスの鍵を持っており、とりあえず鍵を開けてくれる。

そして担任もやってきて、私を呼び寄せ事情を聞く。

最後に見たのは科学教室に着いてからで、一度戻って探したけれど見つからなかった、とわかる限りのことを話した。

鍵の管理は防犯に繋がるとわかり切ったことを言ってくる。
盗難事件が多発していることまで教えてくれるから、この学校の治安に乾いた呆れ笑いさえ浮かんできた。

「あれ、財布がない!」

教室から雪田の声が上がった。呆れ笑いから一転血の気が引き、私の横から担任が教室に駆け込む。