いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

私が後ろへ退くより早く飛び込んできた。

なら……さっきと同じように腕を叩きつけるそぶりを見せ、かわしたところで……

踵を回し横へ叩きつけた。その時刺されたところが痛んだせいで勢いが薄れ、柄をぶつけただけだった。

武器だけ見れば勝てそうなのに、勝ち筋が見えない。これが経験の差というものだろうか。

一度撤退して今度にしよう。もう少し情報を集める必要がある。

一目散に逃げたいところだけど、背中を見せれば後ろから仕留められるのでじりじりと退く。

荷物は後で取りにこよう。
体育館の扉に背をつけた。後ろ手を取手にかけた時……

鍵が閉まっている!
私の力不足でもなんでもなく扉はつっかえている。後ろへの逃げ道を失い血の気が引いた。

この戦いで命を落とすかもしれない。死が間近に迫ると、不思議な覚悟が決まった。

男が真っ向から向かってくる。私は槍の向きを逆向きにした。

魔法を使って垂直に飛び上がり、空中で槍を軸に逆立ちして急降下、脳天を貫いた。小男の体は床に崩れ落ち、私は着地する体勢を見失った結果、足から強烈な痺れが駆け上ってきた。

頭から落ちなかったのは幸運だけど、魔法で普段しないような動きをするとこういうことにもなる。明日は魔物退治を休んで練習にしよう。