いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

薄暗い中に刀が不自然に鋭く光り、弾かれた私はありえないほど吹き飛んだ。

投げ出された体を把握して、くるりと体を起こす。

心なしか滞空時間も長い。普通なら思考が追いつかなくなるところ、着地を待たずに攻撃に移ることができるのだ。これも魔法の恩恵か……

空中から落ち武者に飛びかかり、さっきと同じように真っ直ぐ首を狙う。それを振り払おうとする刀は体を浮かして飛び越え、腰を捻って右側へ回り込む。

再びこちらへ刀を回してきたため、背を丸めてから蹴り飛ばすと、ボロボロの刀は限界が来ていたのか折れて床に落ちる。

ボロボロの鎧は隙間だらけで、右肩の部分は千切れかかっていた。

首の横側から貫くと、武士は兜の下で目を伏せた。
恨みや怒りよりも、寂しさ、そしてどこか満足げな様子が伝わってきた。

「ああ……」

棍棒を持つ腕を力なく下ろしながら嘆きの声を漏らす小男。
感情に浸る時間を与えず、向き直って槍を撫でる。

小男は機会を見計らっているのか動かない。
らちがあかない。自分から向かい、小男の腕を叩きつける。

感触がない。外したか。
私は肩透かしを食い次の行動に移るのが遅れた。小男は姿勢を低くして飛び込むと健在だった腕で切りつけてきた。