ボロボロの鎧をまとい、物騒な長い刀を提げた落ち武者。反対側を向いて立っているだけで、まだ気付かれていない。
壁伝いにそろりと歩き、縦の位置を合わせるように動く。このまま気付かれなければサッと曲がって突撃するつもりだったのに……
落ち武者はくるりと振り返り、ガシャガシャと音を立ててこちらに向かってくる。鎧をまとっているせいで制服の私より動きが遅い。
速さなら有利だけど、これまでの魔物と違って刀を持っているし、もう少し距離を取って戦えたらな。
そう思うと槍の輪郭が歪み始めた。
何が起こった!?と一撫ですると柄が伸びた。逆の方向に撫でると縮み、魔法の便利さに感嘆する。
使いやすい長さにしてからすぐ、落ち武者の斜め後ろに回り込んで飛びかかる。
歩くのは遅いけど反射は早い。
刀で弾かれつま先から落ちると体重のかけ方を間違えた。
「なぜこの様なことをする?未来ある少女だろう。これ以上命を奪ってはいけない。罪を重ねては……」
低く重みのある声で諭され、恐ろしい見た目との落差に拍子抜けする。悪さをする魔物だと聞いていたのに、どうして私を心配する様な……
続きはあるみたいだけど、ザラザラとノイズが入って聞こえない。
やがてノイズがうめき声に変わり、そっちの方が魔物という存在には合っていた。
たとえ何か言ってきても、倒さなければいけない。願いを叶えるために。
壁伝いにそろりと歩き、縦の位置を合わせるように動く。このまま気付かれなければサッと曲がって突撃するつもりだったのに……
落ち武者はくるりと振り返り、ガシャガシャと音を立ててこちらに向かってくる。鎧をまとっているせいで制服の私より動きが遅い。
速さなら有利だけど、これまでの魔物と違って刀を持っているし、もう少し距離を取って戦えたらな。
そう思うと槍の輪郭が歪み始めた。
何が起こった!?と一撫ですると柄が伸びた。逆の方向に撫でると縮み、魔法の便利さに感嘆する。
使いやすい長さにしてからすぐ、落ち武者の斜め後ろに回り込んで飛びかかる。
歩くのは遅いけど反射は早い。
刀で弾かれつま先から落ちると体重のかけ方を間違えた。
「なぜこの様なことをする?未来ある少女だろう。これ以上命を奪ってはいけない。罪を重ねては……」
低く重みのある声で諭され、恐ろしい見た目との落差に拍子抜けする。悪さをする魔物だと聞いていたのに、どうして私を心配する様な……
続きはあるみたいだけど、ザラザラとノイズが入って聞こえない。
やがてノイズがうめき声に変わり、そっちの方が魔物という存在には合っていた。
たとえ何か言ってきても、倒さなければいけない。願いを叶えるために。



