いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

上がる機会のない場所に立ち、そろりと足を進め、幕から姿を現わす。
私が出たことにも気付かず扉に向かって笑う五人を見下ろしていた。誰もいない倉庫で楽しんでね。

下りようと階段へ足を出した時、朝霧と目が合った。

「いつのまに……!」

続いて雪田たちが私を見て、ありえないというように口を開けていた。

「どうやって出たんだよ!」

「倉庫の中から舞台袖に行けるようになっていたの。私が別の出口を見つけることも想定できなかった?頭が弱いのね」

雪田は肩を吊り上げ、窪田はじとりと見上げてくる。

「今度は出口という出口の鍵をかけてから閉じ込めてやる!」

「馬鹿ね、そもそも内側からは大体開けられるようになっているわよ」

雪田の意気込みを早々に砕いてやると、肩を落としていた。

「でもさ、生徒が舞台袖に侵入して事故が起きたら……先生もドアにチェーンを付けるなりするよね」

海堀は閃いたとばかりに顔を歪め、つかつかとステージに寄ってくる。

「もうやめなよ〜海堀。洒落にならないってぇ」

「ちぇー、もっと閉じ込めたかったな」

朝霧に制された海堀は雪田同様に肩を落とすと、先に帰ろうとする一井たちを見て後ろに下がる。

「つまんない!もうこれ返すわ!」

不貞腐れた海堀がその手の中に包んだものをシュッと投げつけてきて、私の足元を滑り抜ける。

「取れないんだー!」

最後に馬鹿にしてから朝霧たちを追いかける。
足元に投げておいてどう取らせるつもりだったの?

一人残された私は埃をまとったヘアピンを拾い上げ、指で拭った。