いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

逃げられた……?
校舎内を探し回るのも大変だし、自分に有利な場所に逃げられたとすれば……。

どうしたものかと突っ立っていると、トイレの中で笑い声がする。

逃げてなんかいない。ここにいる!

まさかと思い天井を見上げると、魔物は脚だけで天井に張り付き、腕をだらんとぶら下げた。

このまま下を潜れば指の先が私にぶつかりそうだ。
ゆらゆらと上半身を揺らしながら、真っ黒な目で私を見つめる。

何をするでもなく揺れている。
じりじりと足を進めるも、攻撃してくる気配はない。

次の瞬間何をしてくるかわからない恐怖を抱え続けたまま、ホースの蛇口に手をかけた。

持ってきた石鹸をへりに置き、槍とホースを同時に持つ。

蜘蛛に向けた直後、床に水をまいた。

少しだけ水がかかると嫌がる様子を見せ、人間の腕で顔を必死に拭っている。
水浸しの床には降りられない。

視線が向いてない間に!
槍を差し向け頭に狙いを定めるも、キラリと一閃が目に飛び込み、攻撃を断念する。

私の右側スレスレに糸がかかっている。

糸を確認していた間に魔物は個室の壁の天辺に移動していた。足を広げ、器用に乗っかっている。

水を撒き散らしながら攻撃できないだろうか。

魔法なら出来そうだけどイマイチ勝手がわからない。

ホースをへりに置いて固定できないか、と考えながら置く。するとホースは手を離しても一人でにくっついていた。

特に呪文を唱えなくても考えればいいのか。

じゃあこの魔物がころりと死んでくれたら……

それは流石になかった。

そして敵は自分がしてほしくないと思う行動を取ってくるものだ。
ころりと死ぬどころか私に向かって飛びかかってきた。