「どういうことよ!?」
「私は昔、この学校が出来る前にこの地に封印された。ここは多くの精霊たちに守られ、私は封印から逃れられないでいた。私は体を失い精神だけの状態になり、復活するためには肉が必要だったのだ。だから深夜運び込まれたあの男の死体を糧にした」
あいつら……存在が消えたと思ったら沙良木の体を渡したのか……!本当にロクでもないことをする。
それにしても精霊なんて……そんなもの見たことがない。精霊が守っているならなんであんな禍々しい魔物が歩きまわってるの。
「精霊がいる限り弱体化した私は復活することができない。だから魔力が高く精霊に好かれる君を使い排除することにした。眠っている魔力を活性化させ、精霊が魔物に見えるようにした」
「え……」
「しかし精霊が滅んだ今君に魔法を使わせる理由はない。魔力があってもその出し方を忘れた現代人は私の意思一つで簡単に元に戻る」
あいつが指を鳴らすと、愕然と飛んでいた意識が戻る。あいつを討つため握りしめた拳から魔法の気配がしない。どれだけ握りしめても、念じても、あの湧き上がるような感覚がない……。
まるで鍵をかけられたかのように。
「また精霊を集められては困るからな。君はもう世に出ることはないだろう」
男は満面の笑みを浮かべた後背を向ける。
「待ちなさい!約束と違うじゃない!返しなさい!生贄ならやるから沙良木を返しなさい!」
後ろから声を飛ばしてもあいつは何の反応もくれず、夜の闇に消えていった。
夜の静けさの中燃えていたはずの校舎から、いつのまにか叫び声が聞こえる。出てきた生徒や先生は私がいる運動場へと走ってくる。
消防車とパトカーのサイレンが入り乱れ、避難訓練で想定していた光景が広がっていた。
そして新聞紙のカスが貼り付いていたはずの右手には、マッチの箱が握らされていた。
「あはは……あははっ」
「君、大丈夫か?」
後ろから誰かに声をかけられ思わずマッチの箱を落とす。後ろの人はそれを拾い上げることなく目の前に周り込み、青い制服を見せる。
「ちょっと話を聞かせてもらえるかな?」
世に出ることはない、とはこういうことか。
私はまだ未成年だし、それに責任能力が認められなければ刑は軽くなる。けどあいつはそれも考慮して私を犯人に仕立て上げただろう。きっと私は刑務所に入る。
出所したところで志望校も安定した生活も手に入らない。
あんな禍々しいやつに頼ったばかりに、いじめのない生活どころか沙良木を失ってしまった。
私は沙良木さえいればそれでよかったのに。
高校受験すら超える人生の失敗だ。私ったら馬鹿ね。
私の人生ってば必死に生きたら無に帰すから、馬鹿らしくなって夜空に高笑いした。
「私は昔、この学校が出来る前にこの地に封印された。ここは多くの精霊たちに守られ、私は封印から逃れられないでいた。私は体を失い精神だけの状態になり、復活するためには肉が必要だったのだ。だから深夜運び込まれたあの男の死体を糧にした」
あいつら……存在が消えたと思ったら沙良木の体を渡したのか……!本当にロクでもないことをする。
それにしても精霊なんて……そんなもの見たことがない。精霊が守っているならなんであんな禍々しい魔物が歩きまわってるの。
「精霊がいる限り弱体化した私は復活することができない。だから魔力が高く精霊に好かれる君を使い排除することにした。眠っている魔力を活性化させ、精霊が魔物に見えるようにした」
「え……」
「しかし精霊が滅んだ今君に魔法を使わせる理由はない。魔力があってもその出し方を忘れた現代人は私の意思一つで簡単に元に戻る」
あいつが指を鳴らすと、愕然と飛んでいた意識が戻る。あいつを討つため握りしめた拳から魔法の気配がしない。どれだけ握りしめても、念じても、あの湧き上がるような感覚がない……。
まるで鍵をかけられたかのように。
「また精霊を集められては困るからな。君はもう世に出ることはないだろう」
男は満面の笑みを浮かべた後背を向ける。
「待ちなさい!約束と違うじゃない!返しなさい!生贄ならやるから沙良木を返しなさい!」
後ろから声を飛ばしてもあいつは何の反応もくれず、夜の闇に消えていった。
夜の静けさの中燃えていたはずの校舎から、いつのまにか叫び声が聞こえる。出てきた生徒や先生は私がいる運動場へと走ってくる。
消防車とパトカーのサイレンが入り乱れ、避難訓練で想定していた光景が広がっていた。
そして新聞紙のカスが貼り付いていたはずの右手には、マッチの箱が握らされていた。
「あはは……あははっ」
「君、大丈夫か?」
後ろから誰かに声をかけられ思わずマッチの箱を落とす。後ろの人はそれを拾い上げることなく目の前に周り込み、青い制服を見せる。
「ちょっと話を聞かせてもらえるかな?」
世に出ることはない、とはこういうことか。
私はまだ未成年だし、それに責任能力が認められなければ刑は軽くなる。けどあいつはそれも考慮して私を犯人に仕立て上げただろう。きっと私は刑務所に入る。
出所したところで志望校も安定した生活も手に入らない。
あんな禍々しいやつに頼ったばかりに、いじめのない生活どころか沙良木を失ってしまった。
私は沙良木さえいればそれでよかったのに。
高校受験すら超える人生の失敗だ。私ったら馬鹿ね。
私の人生ってば必死に生きたら無に帰すから、馬鹿らしくなって夜空に高笑いした。



