いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

「三河じゃん。あれ、眼鏡変えた?」

いつもの黒縁の眼鏡ではなく、色のついたものになっていた。全体的に黒い色遣いの三河の堅苦しさを中和している。

「そう。かなり古くなってたから変えたの」

微笑んでいつになく柔らかい態度を見せる。海堀はそれを、眼鏡を変えて機嫌がよくなったのかと考えた。

「ふーん。いいじゃん他の人と違って」

人の目を気にしないで楽だね、と海堀の心の中には悪意が沈んでいた。

「眼鏡は楽だよね。私はコンタクトにしようと思ってるんだけど、つけるのとか洗浄とか面倒でさ」

「コンタクトなら付け方知ってるわ。度の入っていない新しいカラコンがあるから教えてあげられるけど」

新しい眼鏡で微笑みながらの思わぬ提案に、拍子抜けする。コンタクトなんか一度もつけたことがなさそうな三河が自分より先につけていた。

「間違って欲しかったのと違う色を買ってしまって……返品してもいいんだけど、よかったら練習用に定価で譲るわ」

カラコンなら一番近い店でも交通費がいるから、定価でも普通に買いに行くより安い。目には人それぞれ形があることも知らなかった海堀は、いい話とばかりに食いついた。

「それじゃあ手洗い場に行こうか」

そう言った三河の後について、廊下の途中に設けられた手洗い場に行く。
手を洗い、三河が箱を開封する。

「目を開けて」

指先にコンタクトをのせた三河に言われ、海堀は写真を撮る時と同じと言い聞かせながら目に力を込める。

強張る顔の海堀に対し、三河は不安にさせないためにか微笑んでいる。

目を開くために何か見つめようと、海堀は三河の灰色の目を見つめた。一度三河の素顔を見たことがあるが、濃く鋭い灰色の目をしている。度数を上げるために何枚も重ねられたレンズ越しでは、灰色が鈍く遠いものに感じる。

まるで激情が隠されたかのように。

カラコンをつける瞬間と、目の前の派手ではないものの魅力的な目の色にドキドキしていた。


これで私の冴えない茶色から何か特徴を持った目に、三河はそんな期待をした海堀の目を突いた。