いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

家に戻った後、すぐに自分の部屋にこもる。夜ご飯はもう食べたことにしていてよかった。今日はもう何も食べられない。

明日の朝ごはんはどうなるだろう。
もうそれ以上明日のことを考える余裕はなく、早めにシャワーを済ませると布団に潜り込んだ。ずっと寝ていられたらと思いながら、逃げるように眠りに落ちたのだった。

ずっと寝ていることを望んだのに、いつもより早く寝た分、早く目が覚めてしまう。二度寝しようと布団をかぶったままでいたけど、死体の場所を確かめるのを思い出した。

昨日プールに引き摺り込まれたのは覚えている。とても現実とは思えないような出来事だった。
あいつを死なせたことを信じたくなくて、昨日の不思議な出来事も、何もかも記憶違いなんじゃないかと思い始めた。

今日は早めに学校に行きたいからと言って、朝ごはんの準備ができていないところを一枚のトーストとヨーグルトで済ませることにした。

それで足りるのかとしつこく聞かれ、面倒くさいと思いながら足りると返す。

身支度を整えたら、爽やかに晴れ渡る空の元に出た。
通勤通学の人たちに混じり電車に乗ると、あの店の最寄り駅で降りる。午前中には絶対に歩かない道を進み、誰もいない店の前に立つ。

あいつをいじめた場所は何の痕跡も残っていない。気をつけて消したんだから当たり前だ。

本題の茂みへ入る。昨日踏み進んだというのに草は変わらず茂っていて、立ち直りの早さに感心した。虫が登ってくるような痒みに逃げ出したくなる気持ちを抑え、あいつを捨てたあたりに近付く。

あの時は暗くてあまり見えなかったけど、それらしいところにきた。私が場所を間違えてなければだけど、あいつは見えない。

少なくともここにはなさそうだ。

これだけのためにまた電車に乗り、少しだけ軽くなった足取りで学校に向かった。

教室に入ると珍しく他の四人が揃っていて、リュックサックを背負ったまま挨拶しに行く。

「珍しいね。やっぱり昨日のこと?」

朝霧の気に障らないかと緊張しながら、周囲を気にして小声で顔を寄せる。

「海堀……そのことなんだけど、今日の朝プールを探してもあいつがいなかった。底を覗き込んでもなかったの」

朝霧は私を少しだけ見上げ、強張った顔で言った。

「私朝に店の方見に行ったけどなかったよ」

「つまり、あいつの死体はこの世に存在しないってことね」

朝霧が重みのある声で結論を出した。

「死体がないなら捕まえようがなくない?証拠も消したし、万が一殴ったのがばれても魔法で消えましたとか証明できないし」

私がこの状況に希望を見出して言うと、朝霧は顔を緩め、喉を鳴らした。

「まだ私たちがしたことはばれていない……店長が心配している様子さえない」

朝霧は高揚した様子で、メッセージアプリが入っているスマホを握りしめる。

いじめがばれた時は運も尽きたかと思った。しかしあれは今のための代償だったのかもしれない。

人を死なせてもばれなかった。私たちはこの先も快適に生きていける。先生にも警察にも怯えず、羽根を伸ばしていいんだ。