外から見えた校舎には点々と明かりがついていたのに、敷地内に入った途端消えた。いつもと違う時間だけど、無事に魔法が存在する空間に入れたんだ。
プールの入り口は鍵がかかってるけど、朝霧がフェンスの網目に足を引っ掛けてよじ登る。続いて雪田が登り、横につたって更衣室の屋根を掴むと、窪田に助けられながら上がった。
私と窪田で袋を下から持ち上げ、雪田と朝霧で上から引き上げる。
屋根の上にのせられたのを確認すると私たちもフェンスをよじ登って中に入った。
今度は一井も来て袋を下に下ろし、更衣室の影に隠す。
とにかく今日することはこれで終わるはずだった。
しかし隠し終わって袋に背を向けたとき、懐かしい声が聞こえてきた。
「少し頼みごとをしてもいいか」
姿は見えないけど声が頭に響く。私たちに魔物退治を持ちかけてきたやつだ。
「男を袋から出し、水面に浮かべてほしい」
何が起こるか想像もつかないけど従わなければいけない気がする。
袋をプールサイドに運び言われた通り袋を開けると、土と吐瀉物の臭いがした。鼻と喉に力を込めて息を止めると、足でプールの中に滑り落とした。
すると目を開けていられないような強風が吹いて思わず後退りする。激しく波打つ水面はあいつを中央まで運んで行った。
こんなに都合よく風が吹いて真ん中まで持っていくなんてあり得ない。これは絶対魔法だと思う。
「槍を男に向かって投げてほしい」
槍を使うのは一井だ。槍を出して一歩歩み出るけど、顔は青ざめていた。
槍は投げるだけでいいのかな。当てるとなると難しい。いつも突くだけで、投げて魔物を倒したことなんてない。
失敗したらどうなるんだろう。一井が一番心配だと思うけど、自分のことじゃないのに不安になってきた。
報酬も罰も明かされないまま、一井は指示に従って投げるしかなかった。とはいえ魔法のおかげか綺麗に飛んであれを貫いた。
すると水面が薄く発光し、深い傷口から血が流れ出ているのが見える。
そしてまた驚愕する事態になる。
水面が渦のように歪み始めたかと思うと、流れ出た血が魔法陣の形に変化した。光は紫を帯び、怪しい光景が広がる。人を惑わすような光だった。
これは魔法の中でも禍々しさを感じさせるものだ。
やがて光が中心へ収束していきながらあれが引きずり込まれるのを見ていた。
黒い水面からあれは姿を消したのだった。
目には惑わすような光が残っていて、頭がうまくまとまらない。
光の跡が消えると今度は夜の闇が目につく。あれはどこにいった?完全に消えた?それとも底に沈んで見えないだけ?
例え底に沈んでいたとしても、こんな暗い中では探し出せない。
人の知識では追いつかないようなことが起こった後で、途端にこの場が怖くなった。
「プールの中を探すのは明日!もう帰ろう!」
愕然とする四人に私が呼びかけると、みんな夢が覚めたかのように緊張した顔で頷く。
みんなと別れて、私は追われている訳でもないのに夜道を駆けた。鬱陶しく感じた家に一刻も早く戻りたい。人工的な暖かい光が恋しくなった。
プールの入り口は鍵がかかってるけど、朝霧がフェンスの網目に足を引っ掛けてよじ登る。続いて雪田が登り、横につたって更衣室の屋根を掴むと、窪田に助けられながら上がった。
私と窪田で袋を下から持ち上げ、雪田と朝霧で上から引き上げる。
屋根の上にのせられたのを確認すると私たちもフェンスをよじ登って中に入った。
今度は一井も来て袋を下に下ろし、更衣室の影に隠す。
とにかく今日することはこれで終わるはずだった。
しかし隠し終わって袋に背を向けたとき、懐かしい声が聞こえてきた。
「少し頼みごとをしてもいいか」
姿は見えないけど声が頭に響く。私たちに魔物退治を持ちかけてきたやつだ。
「男を袋から出し、水面に浮かべてほしい」
何が起こるか想像もつかないけど従わなければいけない気がする。
袋をプールサイドに運び言われた通り袋を開けると、土と吐瀉物の臭いがした。鼻と喉に力を込めて息を止めると、足でプールの中に滑り落とした。
すると目を開けていられないような強風が吹いて思わず後退りする。激しく波打つ水面はあいつを中央まで運んで行った。
こんなに都合よく風が吹いて真ん中まで持っていくなんてあり得ない。これは絶対魔法だと思う。
「槍を男に向かって投げてほしい」
槍を使うのは一井だ。槍を出して一歩歩み出るけど、顔は青ざめていた。
槍は投げるだけでいいのかな。当てるとなると難しい。いつも突くだけで、投げて魔物を倒したことなんてない。
失敗したらどうなるんだろう。一井が一番心配だと思うけど、自分のことじゃないのに不安になってきた。
報酬も罰も明かされないまま、一井は指示に従って投げるしかなかった。とはいえ魔法のおかげか綺麗に飛んであれを貫いた。
すると水面が薄く発光し、深い傷口から血が流れ出ているのが見える。
そしてまた驚愕する事態になる。
水面が渦のように歪み始めたかと思うと、流れ出た血が魔法陣の形に変化した。光は紫を帯び、怪しい光景が広がる。人を惑わすような光だった。
これは魔法の中でも禍々しさを感じさせるものだ。
やがて光が中心へ収束していきながらあれが引きずり込まれるのを見ていた。
黒い水面からあれは姿を消したのだった。
目には惑わすような光が残っていて、頭がうまくまとまらない。
光の跡が消えると今度は夜の闇が目につく。あれはどこにいった?完全に消えた?それとも底に沈んで見えないだけ?
例え底に沈んでいたとしても、こんな暗い中では探し出せない。
人の知識では追いつかないようなことが起こった後で、途端にこの場が怖くなった。
「プールの中を探すのは明日!もう帰ろう!」
愕然とする四人に私が呼びかけると、みんな夢が覚めたかのように緊張した顔で頷く。
みんなと別れて、私は追われている訳でもないのに夜道を駆けた。鬱陶しく感じた家に一刻も早く戻りたい。人工的な暖かい光が恋しくなった。



