いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

一緒にいて思うところはあるけど、事情があるのかもしれないと本人に言ったって、同意しか求めないあの子はまた機嫌を損ねるだけ。
嫌だ嫌だと思いつつも黙り込んでいた。

今日は面倒な言動ばかり見て疲れた。
塾もないし、さっさと帰ってゆっくり休みたい。カフェオレでも買って帰ろうかな。

教科書を突っ込んで帰る支度を進めていると、SHLのために先生が来た。

「五班教室、六班トイレ掃除……」

そうだった、掃除があるんだった。
朝の会で言われていたのにすっかり忘れていた。

休憩タイムは先延ばしになり、人知れず落胆する。
速やかな準備も早く学校から出ていくためではなく、トイレ掃除に向かうためのものになってしまった。

同じ班の子にあの五人はいないけれど、性格が合わないからやり辛い。

「三河ー」

同じ班の高梨が、リュックサックを背負った状態で声をかけてくる。その横には高梨の友達が並んでいる。
リュックサックは邪魔だから教室に置いていくと思ったのに。

「今日用事があるから先帰っていいかな?」

そういうこと。
リュックサックまで背負って帰る気満々じゃない。これで駄目なんて言えるわけがないし、もういっそいない方がマシ。

「はい、どうぞ」

「ありがとー!三河神!」

調子よく神と持ち上げる高梨にうんざりしながら、さっさと帰れと手を振る。
高梨の後方であの五人がニヤニヤと見ていることから、用事というのもあいつらの差し金だと察した。

どうせカラオケとかに誘ったんでしょう。
高梨が五人に向き直り、行こうと声をかける。ぞろぞろと出口に向かっていくのを見てから、代わりに入ってくれる人はいないか見回す。

坂田は早々に帰ったみたいだし、咲洲たちはゲームに熱中していて誘うのも申し訳ない。松下は言ったら手伝ってくれるけど、高梨が帰った穴埋めをさせるなんてと葛田がうるさくなるし……。

狭い女子トイレで三人、四人いるとわちゃわちゃしていて大変だわ。数は少ない方がやりやすいし、二人でも一人でも一緒。

一人でやりきってやると奮い立ち、もう家に帰れない残念さなんか忘れてしまった。