いじめっ子抹殺魔法〜優等生の放課後残酷魔物狩り〜

茂みから出ると、まずホースの水を地面に流した。あいつの血や髪が残っているかもしれないから、側溝の方へ押し流していく。水は都合の悪い砂を含んで濁る。

それが終わると触れたところの指紋を消すんだけど、朝霧が手の水を拭き取った途端スマホを使い出した後、少しの迷いもなくスタッフ専用の裏口に消えた。

その様子を見て私たちは唖然とする。見つかったら普通に怒られるし怪しまれる。朝霧は何を考えてるの!?と戦々恐々としていた。

見つかって芋づる式に怒られるのを避けるため、店の前に周って身を隠す。するとドアが開く音がして、雪田が目だけを出して覗き込む。

出てきたのは朝霧だけで、ほっと息をついて出向いた。
朝霧の手には食器用洗剤とスポンジとビニール手袋があった。スポンジに洗剤を揉み込み、ホースを洗っていく。これで指紋を拭い去るという。

私たちが触れたところを片っ端から洗っていき、朝霧は先に戻るよう言った。

「え、大丈夫?」

「店員が店に出てるときにメッセージ送って。その間に返してくるから」

一井は朝霧を残すことに心配したけど、隙を見て拝借した洗剤らを返すつもりらしい。

「あいつはどうする?」

「返した後私が監視しとくから、みんなは会計して」

会計後合流、あいつの処遇を考えるということか。本日三回目のドアのベルを鳴らし、ドリンクがそのままにされた席に戻る。

返し終えたらすぐここを出るだろうから、のんびり飲んでいられない。もったいないから氷が溶けたジュースを勢いよく吸う。

店内では誰もフードを頼む様子はない。ドリンクなら表の方で出す。合図を出そうかと思ったけど、窪田が先に送信していた。

流石窪田だ、学校でも的確に先生の気配を察知してた。

コップはかけらほどの氷と薄い色水を残すばかりになった。朝霧の無事を確かめるより先に退店の用意を済ませる。

朝霧が見つかった場合私たちだけでも助かるようにだ。薄情とかではなく問い詰められる人数が少ないに越したことはない。