「沙良木がどんどん変わっていくから。私も置いていかれる気がして。沙良木はいつも他の人を思いやって、仕返したりしないし自分をより良く見せる努力を怠らない。人の気持ちなんて考えず自分のしたいことばっかりで、いつか嫌われるかもって思ったの」
恐る恐る上目で見ながら、くぐもった弱い声をぼろぼろと落とした。
「そうか……三河はそんな風に思ってたんだ」
沙良木は薄く一息吐くと手を組み直し、私をそっと置いておくように視線を漂わせる。
「他の人を思いやっているって言うけど、そんなつもりはなくて……仕返さないのは昔の話もそうだけど、嫌な人にそれ以上関わりたくないから。メイクだって最初は周囲の目を気にしてのことだけど、今は自分がしたいからしてる。僕だって自分のことばっかりだよ」
沙良木は強かな笑みを浮かべて私を見つめる。
「でもね、僕は人の意見に惑わされないところをいいと思ってる。例え周囲が何か言ってきても、昔の三河みたいに払い退けるから。
途端、固い決意を纏い出した沙良木に力強く見つめられて、不安が解けていく。
そうか。沙良木が私のことをどう思うかなんて、考えたってわからない。不安に駆られて模索するより、ちゃんと話し合った方が早い。
「もう心配事はないわ、大丈夫。ありがとう……」
袋を手に取ると胸の前まで引き寄せた。
「私、好きなようにするわ。お気に入りのパターンでも、いつもと違う感じにするのも、自分の気持ちに従う。それで早速だけど……沙良木、今度このゴムに合うメイクとか教えてほしいの」
「わかった。ポップな感じか……自分もあまり試したことないけど、調べてみるね」
「あ、そうなの?じゃあ私の方でも調べておくわ」
おしゃれを他人に合わせるものと思わなくなったら、私も色々なことを試そうと思うようになった。
勉強でも教科問わず関心を持って、答えを求め、知識を身に付けてきた。それと同じように、色々な服を身に付けたい、着こなしたいと思う。
沙良木と私は違う。沙良木は思いやりがあって、いつもは控えめだけど時々自分の意見を伝えられるようになった。私は他人に厳しい性格と思われていて、昔は自分の意見を貫いてきたけど、今は奥に押し込めることもある。
それでも、いやだからこそ上手くいってきたのかも。私たちは見た目とか成績とか、パッと見てわかる理由で好きになったんじゃない。
ずっと一緒にいないとわからないようなところを好きになった。
そして人は変わる。沙良木も、もしかしたら私も。それでも好きな気持ちは変わらない。
後ろ向きな沙良木を引っ張るように生きてきたけど、今は沙良木を頼れるようになった。
私たちはきっと、考え方や付き合い方を変えながら一緒に進んでいく。
恐る恐る上目で見ながら、くぐもった弱い声をぼろぼろと落とした。
「そうか……三河はそんな風に思ってたんだ」
沙良木は薄く一息吐くと手を組み直し、私をそっと置いておくように視線を漂わせる。
「他の人を思いやっているって言うけど、そんなつもりはなくて……仕返さないのは昔の話もそうだけど、嫌な人にそれ以上関わりたくないから。メイクだって最初は周囲の目を気にしてのことだけど、今は自分がしたいからしてる。僕だって自分のことばっかりだよ」
沙良木は強かな笑みを浮かべて私を見つめる。
「でもね、僕は人の意見に惑わされないところをいいと思ってる。例え周囲が何か言ってきても、昔の三河みたいに払い退けるから。
途端、固い決意を纏い出した沙良木に力強く見つめられて、不安が解けていく。
そうか。沙良木が私のことをどう思うかなんて、考えたってわからない。不安に駆られて模索するより、ちゃんと話し合った方が早い。
「もう心配事はないわ、大丈夫。ありがとう……」
袋を手に取ると胸の前まで引き寄せた。
「私、好きなようにするわ。お気に入りのパターンでも、いつもと違う感じにするのも、自分の気持ちに従う。それで早速だけど……沙良木、今度このゴムに合うメイクとか教えてほしいの」
「わかった。ポップな感じか……自分もあまり試したことないけど、調べてみるね」
「あ、そうなの?じゃあ私の方でも調べておくわ」
おしゃれを他人に合わせるものと思わなくなったら、私も色々なことを試そうと思うようになった。
勉強でも教科問わず関心を持って、答えを求め、知識を身に付けてきた。それと同じように、色々な服を身に付けたい、着こなしたいと思う。
沙良木と私は違う。沙良木は思いやりがあって、いつもは控えめだけど時々自分の意見を伝えられるようになった。私は他人に厳しい性格と思われていて、昔は自分の意見を貫いてきたけど、今は奥に押し込めることもある。
それでも、いやだからこそ上手くいってきたのかも。私たちは見た目とか成績とか、パッと見てわかる理由で好きになったんじゃない。
ずっと一緒にいないとわからないようなところを好きになった。
そして人は変わる。沙良木も、もしかしたら私も。それでも好きな気持ちは変わらない。
後ろ向きな沙良木を引っ張るように生きてきたけど、今は沙良木を頼れるようになった。
私たちはきっと、考え方や付き合い方を変えながら一緒に進んでいく。



