コイッペキ

好きな人に、大嫌いと言われたら…。

折本が悪いはずなのに。
ヒナはシオンの言葉にショックを受けていた。

暫く、ヒナとシオンは折本が出て行った扉を眺めていた。
「本当は、気づかないふりしたかった」
ぼそっとシオンが小さな声で呟いた。
「彼女を傷つけていたのは事実だから」
「シオン君…」
冷たい眼差しのまま、シオンはヒナを見る。
「ヒナちゃん。ごめん。俺とエマのせいで。ヒナちゃんを傷つけた」
「そんなことない! むしろ、私は何もしてあげられてない」
ヒナは大声が出てしまう。
「ずっと、俺が悪いって思ってた。そうすれば、おさまるのかなって」
さびしそうな表情をするシオン。
「シオン君は何も悪いことしてないよ。エマだって何も悪いことしてないんだから! 自分を責めないでよ」
「ヒナちゃん」
こんな時でさえ。
ヒナは、シオンを見て「カッコイイな」と思ってしまう。
憂いさえも彼の魅力になってしまうのだなと。
しばし見とれてしまいそうだ。

「さぁ、午後の練習を始めますよー」

タイミング悪く、トド先生達が入ってくる。
シオンが目をそらしたので。
ヒナも目をそらしたのであった。