そして現れたお父さん。



「こんばんは。魔法族協会会長からご挨拶とご連絡を申し上げます。今日はお集まり頂きありがとうございます。このサバトという儀式は元魔法族女王月華様がお始めになった儀式です。サバトでは魔法族の絆を深めるという意味合いも含まれています。今日は思う存分楽しみ、絆を深めてください」




さすがお父さん、私の気持ちをよく汲み取ってくれている。




「そしてここからは重大な連絡です。最近は魔族と魔法族の争いが様々なところで勃発しており、治安の悪化が深刻になっております。亡き月華様が求めた平和な世界を作るためにも極力魔族との争い事を起こさないようお願い申し上げます」




そう、私が求めた平和な世界。




魔王を殺したいという気持ちに変わりはない。




でも私は魔族と大きな争いを起こしたいわけではないの。




ただ魔族への恐怖からみんなを救いたいだけ。




魔族を滅ぼそうなんて考えたことも無い。