「良いから、早くお部屋に行こう。
彰人君の荷物は、大パパとパパと洋兄が運んでくれてるから。」

そこまで用意周到だったのか。

なのに寮にするか、俺の家に来るかと

さも選択する権利があるような事を言って。

まぁ、最初っから決まっていたのが寧々の側って辺り。

俺にも十分甘いメンバーだけど。

二階の南側が寧々の部屋で

その向かいが、俺の部屋らしい。

「おばさんは?」

一応、大家さんの部屋も確認しておかないと

この間のような事をしてるときに、部屋に入られて

叩き出されたら、目も当てられない。

「お母さん?
お母さんは………………………………」

そう言って黙り混む寧々。

こういう時には、悪い答えしかない。

「寧~々。」

少し怖い声を出すと。

「ごめんなさい!
お母さんは…………ここに住まないの!」と………………

はぁ?!

住まないって……………

じゃあ、ここは俺と寧々の二人??

「この間3週間一緒に過ごせたから大丈夫って…………。」

「寧々は、それを知ってて俺とここで過ごす事を選んだんだな?」

俺のイライラを感じたのか………

涙目で見つめる。