危険なキミの溺愛

「なんなんだよ」


ボソッと湊が呟く。


「あと何人いるの?」



「…さあ?俺、基本的に来る者拒まずだし」



途端にトイレのドアが勢い良く開いた。



「最ッ低!!」



顔を真っ赤にした太田さんが、つかつかと歩いてきて…湊の頬を思いっきり平手打ちした。


きゃあっ!!


「って…」


あまりに突然のことで、湊はよけきれなかったのかまともにくらっている。



「私じゃなくてもよかったってこと!?」


怒りに震える太田さんを前に、やり返すこともなく湊は打ちひしがれている。



「優しい言葉も、全部嘘だったんだ…ひどいよ」



「俺は…好きだから付き合ったわけじゃない…」