危険なキミの溺愛

「ねぇ、その手離して?」


湊はまだ私の口元を軽く押さえている。


なんだか抱きかかえられているようなこの体勢に、ちょっと耐えられなくなってきた。


「彼女なんだろ?もっとくっついてもいいよな」


うっわ…。


ぎゅうっと抱きしめられて、胸がやたらとドキドキしている。


胸に顔を押し付ける形になり、色んな意味で息苦しい。


「フリだよ!?」


「シッ…太田が聞いてるかも」


「…………」


さっきの私みたいに?



ドアの側で聞き耳を立てている?


「わざわざ俺に会いに来た?かわいいやつ」


ぎゅむ。


そんな音がしそうなほど、強く抱きしめられた。


今度は私の目線までおりてきて、優しく微笑む。


「俺も会いたかった」


なんかクラクラする…。