「寝坊したの?髪、はねてるよー」



軽くとかしただけで出て来たのもあるし、急いで走ったから余計に乱れてるはず。



「先生まだ来ないよね?トイレで鏡見て来ようかな…」



「うん。行ってらっしゃい」



ひかりちゃんに見送られ、ササッと教室を出る。



廊下には誰もいなくて、急いで廊下の端のトイレへと向かった。



「湊!待ってよ」



突然聞こえたその名前にビクッとする。



逃げるようにトイレへ駆け込み、外の様子をうかがう。


トイレのドアを少し開けて見ていると、ふたりの男女がドア付近で立ち止まる。


それは紛れもなく湊で、後ろから女の子がしがみついている。


「どうして急に冷たくなったの?ひどいよ…」


あれ!?


今朝の女の子とはまた違う子だよ?