よく見ると、湊の友達数人もクラスにいない。


そうだった…。


優しい一面を知ったからか、忘れていたけど…湊って、素行が悪かったんだ。



昨日知り合うまではちょっと怖いって思ってた。



だけど今は…少し印象が変わった。


婚約のことも私の努力次第ではチャラにしてもらえるし…今日から彼女役を頑張らなきゃね。


自然に振る舞えるか自信がないけど、なんとかやってみよう。


「花、どうしたの?学校にギリギリに来るなんて珍しい」


後ろの席の友達、ひかりちゃんが不思議そうに首を傾げている。


ひかりちゃんはセミロングのサラサラヘアにカチューシャをしていて、とてもかわいらしい雰囲気の女の子。



「うん…ちょっと、ね」