「どうしてここへ?しかもこんな夜に突然…用事ならスマホに連絡くれればよかったのに」



宙は湊の下から這い出でると、私の方へ歩いて来て、ぶわっと正面から抱きついてきた。



「会いたかった…姉ちゃんがいなくなって、俺…もう寂しくてっ」



肩越しに見える湊がポカンと口を開けている。



「だからってこんな…突然…」



「無理。毎日ひとりで寂しいし」



「お父さんとお母さんは?相変わらず遅いの?」



「まぁ、そうだけど…。喧嘩して、家にいづらい」



「そうなんだ…。とにかく、早く中へ入って」



宙を部屋に入れようとすると、湊が私の前に立ちはだかった。



え…?