「そうだろうけど、俺が星野さんを好きになったことにすればいいから」


「うーん…バレちゃわないかな」


「演技力が問われるな。100点のために頑張って」


ハハハと笑っている中川くんになにも言えない自分が悔しいよ。


こうなったら、さっさとポイントを溜めて婚約を解消してもらおう。


もう、腹をくくるしかない。



「わかった。その代わり…1000点溜まったら、私を解放してね」



「わかってる。そこの部屋、自由に使って」



今いる部屋と、リビングを挟んで向こう側にある部屋を指さす。



「しばらく…お世話になります」



ペコっと頭を下げる。



「家の物は好きに使っていいよ。食事や家のことは各自でやる。ま、ルームシェア的な感覚でどうかな」