「どうだった?」


中川くんがいる部屋に戻ると、さっそく結果を聞かれた。


「お恥ずかしい話だけど、中川くんのご両親に融資を受けたみたい。破談になったら倒産するから、帰ってくるなって言われちゃった」



「へぇ、そうなんだ?それは知らなかった」


心配するどころか、中川くんはなんだか楽しそう。


「いきなりフィアンセって言われても…困るよ。お金はアルバイトをしていつかきちんと返すから…この話はなかったことにできないかな…」


無理を承知でお願いしてみる。


「いいよ」


本当にっ!?


中川くんに苦手意識を持っていたけど、すごくいい人!


「ありがとう」


「今日からここでアルバイトするってことでどう?ポイント制にして、1000点溜まったら融資の分チャラにしてやるよ」


え…まさかの交換条件?


しかもポイント制って…。


なんだか危ないゲームに参加させられそうになってない?