なっ…なにそれ、なにそれ!


ぜんっぜん意味がわからない。


誰でもいいわけじゃないけど、恋愛は面倒って。


そんなの私は嫌だよ…。


恋愛だってしてみたいし、もちろん好きになった人と結婚したい。


「やだ…こんなの無理…」



もう、泣きたいよぉ。



半べそをかいていると、中川くんが優しく微笑む。



笑顔だけは極上で、なぜか涙がひっこんだ。



「一度親に連絡する?まぁ…強引に同居させるぐらいだからある程度の覚悟は必要かも」



ある程度の覚悟?



それってどういうこと?


お母さんに連絡すると、婚約のことをアッサリ認めた。


そして極めつけにこう言われてしまった。


「うちの会社が苦境に陥ってるところを中川さんに助けていただいたの。わかるわよね、この縁談を断るわけにはいかないの」



どういうことっ!?



親の取引の犠牲になれっていうことなの?



ひ…ひどいよ。