「うちと星野さんの母親。何かのパーティで知り合って、そこで意気投合したらしい。お互いの子が同じ学校だと知って、盛り上がってアッサリ決めたみたいだな」


そ…んなぁ。


私たちの気持ちはまったく無視なの?


「がっかりする気持ちもわかるけどな…まぁ、悪いようにはしないから…前向きに考えてよ」


前向きに!?


「そ…そんなのってないよ。中川くんは婚約に反対じゃないの?」


「恋愛とか、興味ないし。段取り踏んで、喜ばせて…って面倒だろ。だったら最初から、割り切った関係の方が楽だな」


びっくりだよ…そんなに淡白な人なの?



学校では色んな女の子と仲が良さそうに話しているし、彼女もいるって聞いた。



実はそうだったなんて…。


クズ発言に引いていると、中川くんがフッと笑った。


「だからって、誰でもいいわけじゃない。星野さんなら、大歓迎」