「もしもし?ユウちゃん?」

「うん、もう大丈夫」

「うん、行けるよ」

「うん、うん、駅で待ち合わせね」

電話をきる。



私はノブをつかんでドアを開く

鮮やかな空の青さで目が眩むが次第に慣れていく

仔猫だった小次郎を連れて帰った道を歩きながら駅へと向かう。

どんどん人が多くなる

緊張のせいかじっとりと汗が出てきた

ちょっとだけ怖い

私は空を見上げる

「小次郎…心配しないでよね」

駅の人混みのなかに向かって歩き出す

おそるおそる、でもしっかりと大地を踏みしめて