「小次郎…」


涙があとからあとから溢れる


胸が痛い、血が出そうだ……

悲しい…

苦しい……


「小次郎」

「小次郎!」


何度読んでも

体をさすっても

どんどん冷えていくばかりで

動くことはなかった。


「小次郎っていつも柚月の部屋の前に座ってあなたが出てくるのを待ってたのよ」


お母さんが泣きながら言う


小次郎は私が心を開くのを待ってくれてたんだ


「分かったよ、小次郎」


「私、できるから…やってみるよ」


「もう大丈夫だから…」


中学生のとき、いじめられても泣かなかった

一人で部屋にいるときも苦しかったけど泣かなかった

だけど今日、私は初めて声をあげて泣いた