『私さえいなければ皆………幸せでいられたのに』

やめて………。

『私がいたら皆………幸せになれない』

聞きたくないっ!!

『いつから私………あの人に心を許したの?』

ードクン

そういえばいつからだった?
わからない。
だって気がついたらあの人に気を許していた。
それで………触れても嫌じゃないって………思った。

『何で嫌いになったんだっけ?』

「それは………っ」

お父さんとお母さんが………。
私に暴力を振るったからで。
それでいつの間にか人と関わるのが怖くなって避け始めたんだ………。

「あっ………私っ………っ!!」

私は頭を押さえて首を横にブンブンっとふった。
しゃがみこんだまま。
涙を流しながら。
どうしてこうなったんだっけ?
全てはあの日………からだった。

『あの日………?』

また小さい頃の私が問いかける。

『あの日っていつなの?それだけで心を許してしまったの?』

いつ?それだけで本当に許したの?
違う。
だって私は………本当にいいと思った人しか許さないもんに

『ねぇ………幸せになりたい?』

幸せ………?

「………っ」

怖い。
幸せになるのが。
傷つくのが。
そして………またあの頃に戻ってしまうのが。
堪らなく怖い。