俺とユアは昼食を食べ
午後の間はユアの好きな映画や雑貨屋などを見て回った。

なんでもない過ごし方だがとても幸せだ。

外は夕方だというのに暗くなっていた。

街のイルミネーションが輝いている。

「……そろそろ帰りましょうか」

ユアが言った。

「ちょっと待って」

俺はどうしたもんか悩んでいたが
ジーンズのポケットから小さな箱を取り出してユアに渡した。

「?」

「これ…」

ユアが受け取る。

そっと箱を開ける。

「指輪…?」

「全然、高いもんじゃないけど…」

寒さで鼻をすすりながら言う。 

ユアは指輪を取り出して薬指につける。
そっと指輪のついた手をあげてイルミネーションの明りに手をかざす。
その輝きが反射してユアの薬指が光っていた。

ユアは背伸びをしてそっと腕を伸ばし俺に抱きついた。