美咲の流産から1年の月日が流れた。
美咲は晴れて邦雄と離婚して、
真人との再婚が決まった。
半年前に高見沢家の弁護士を通して、
美咲は邦雄との離婚届を出した。
離婚届を出してから半年、
美咲は真人のマンションで
同棲生活を送っていた。
二人で堂々と暮らせるようになって、
とても幸せだった。
「美咲先生、真人先生、おめでとう」
「美咲先生が辞めちゃうのは寂しいけど、
先生のことは忘れないからね」
そう、美咲は結婚のために勤務をしていた
学校を離れることになったのだ。
このことは、学校長も残念がっていた。
「美咲先生の後にカウンセラーを
おくことにしました。
それとハーブティーは、
そのまま学校に置いておきます」
「ありがとうございます」
「幸せになってくださいね。
真人先生は、来年には
父親になるんですからね。
しっかり、頑張ってくださいよ」
そう、美咲のおなかには
真人の子供がいる。
来年の春に出産をするため、
結婚と同時に子供が生まれる
喜びをかみしめていた。
思えば、去年流産をしただけに
今育っている命が
無事に産まれることを祈っていた。