「伶菜、面白いよね。」
『・・・・・・?!』
「そんな難しそうな顔してさ。」
『難しそうな顔?』
彼から返ってきた意外な言葉。
お兄ちゃんではなく、私のコト?
「ああ。これから俺と一緒になって幸せになろうっていう顔じゃないよね。」
『・・・・・・・・』
サラリとシビアな一言を言ってのけた彼に返す言葉も出ない私。
そんなコトにまでまだ気が回っていない状態なんだから
でもこのまま彼の発言に対して否定しないのもマズイよね?
「そんなに追い詰められたような顔してまで、自分の兄貴に本当のコト知られるの、嫌なんだな。」
『・・・・・・・・』
さっきの彼の発言に対して否定する間もないまま、更に私にそう畳み掛けてきた彼。
眉間に皺を寄せて唇をキュッと噛むしかできない私。
「そんなに彼に本当のコト、知られたくなかったの?」
知られたくなかったって・・・
まさか、お兄ちゃんに ”祐希の実の父親があなただってこと” 話しちゃったの?
康大クンと祐希と私の新しい生活が落ち着いてきた頃を見計らって
その事実を自分からお兄ちゃんに打ち明けたほうが彼に余計な心配もかけないで済むと思っていたのに・・・
「そんなに、今にも泣きそうな顔して・・・もしかして・・・」
ついさっきまでは、お兄ちゃんがどういう人なのか探っていた彼。
「伶菜さ・・・」
その彼が鋭い視線で
「彼の事、好きなの?」
私の瞳の奥を覗きこみながら、私の想いを探ろうとしている。



