空っ腹に赤ワインを浴びるように飲む
気分が悪くなり、喉元まで自分の指を突っ込んで全部吐き出す
すっきりした胃に今度はよく冷えた白ワインを浴びるように流し込む

そんな事を繰り返しても現実逃避できなくて極度の不眠状態に陥った
市販されている睡眠導入剤をちょっと多めに飲んでみたけれど、やっぱり眠れない

このままじゃ自分は本当におかしくなっちゃうと思い
飛び込んだ心療内科で処方して貰ったちょっと強い睡眠導入剤を生温い水と一緒に口の中に放り込んでベッドに入る

知らない内に目覚まし時計を止めていて、目が覚めた時には朝10時
会社に言い訳電話を入れる気力もなく、無断欠勤

そんな日が3ヶ月も続いて・・・リストラ通告


そして突然の解雇で私の薬漬け生活には拍車がかかった
それだけには留まらず、私は剃刀を使い、自分の右手で自分の左手首を切るようになった


私なんかどうせひとりぼっち
物心つかないうちに父親を病気で亡くし
たった一人の肉親でああった母親も病死してからずっとひとりぼっち

初めての彼氏が現れた時にはひとりぼっちから解放されたと思い込み
彼に心だけではなく身体も許し
私のなにもかもが彼中心になり
彼は私の全てだった

でも、 彼の中での私はかけがえのない女性なんかではなく
彼の身体的欲求を満たす為の3分の1の女という便利な女というだけだった



もう誰も私を必要としない
誰も私を愛してくれない

だからもう死んじゃってもいい・・・そう思って剃刀を手に取った

でも、左手首には浅い切り傷ばかり6本
気の小さい私には深い切り傷をつける勇気がなかった

どうやったら楽になれるだろう?
その頃の私は、死=楽になるとばかり思っていた

だから、次こそ勇気を出して手首を切るよりも確実そうな方法で自分で自分を楽にしてあげることにした