「へっ???」
へっ???って・・・・
メロンパン齧ったまま ”へっ???” って言われても、
驚いた?
困っちゃった??
どうなの?日詠先生・・・
「・・・・・・・」
日詠先生はまだメロンパンを齧ったままボーッとした目で私を眺めている。
そして、切れ長の瞳は見る見るうちに真剣なものに変化した直後、彼はメロンパンを齧り切り、急いでそれを飲み込んでしまった。
ゴホゴホゴホッ!!!
『先生、大丈夫ですか?!』
「ゴホッ、、、ゴメン。」
『本当に?』
「大丈夫だ。それで・・・キミはそれでいいのか?俺が一緒に暮らすのはどうか?なんて言っちゃったから断れないだけじゃないか?・・・・・俺、自分の我儘をキミに押し付けちゃったなんて反省したりもしてたけど・・・・・」
自分の我儘だなんて、
私達と一緒に暮らすのはどう?というのが自分の我儘だなんて
それ、我儘って言えないですよ、先生
だったら、私も・・・
『そんなコトない・・・もしそれが先生の我儘なら、私も我儘言います。・・・私・・・・』
齧りかけメロンパンを手に持ったままの日詠先生に自分の瞳の奥深くまでじっと見つめられてるのをひしひしと感じる。
言わなきゃ
ちゃんと言わなきゃ
私の我儘を
この人にちゃんと伝えなきゃ・・・
『私・・先生の、日詠先生の傍にいたい・・・・・』
「・・・・・・・・・」
珍しくはっきりとした口調の私に対し、日詠先生は何も言葉を発することなく、私の瞳の奥深くまでじっと覗き込んだまま。
嘘偽りのない私の気持ちだから
そんな風に見つめられても絶対怯まないから
「・・・・・・・・・」
そして、日詠先生は相変わらず一言も発することなく、祐希を抱っこしたままベンチから立ち上がってしまった。