頑張れDさん第9話

 私は、何時もの様に現場で作業していた、時間は午前10時を過ぎた頃Dさんの現場の現場監督から電話があった。

「お疲れ様です。ネピオンさん」

「あ〜お疲れ様です。監督さん」

(?何故〇〇建設の監督が電話してくるんだ)

「あっ、実はですね〜ネピオンさん所の下請けで入っている会社のDさんがですね〜」

「・・・Dさんが、どうかしました?」

(今度は何をやった。)

「え〜先程、慌てて現場を出て行ったんですよ〜」

「・・・・」

「それは、まぁ、良しとして〜」

「・・・・」

(いやいや、良しじゃないだろ)

「色々事情が有るだろうけどね〜」

「まぁ・・・」

「とりあえず現場片付けて貰いたいんだけどねー」

「あ〜そのまま出て行ったんですか〜」

「そうなんですよ〜だからネピオンさん、ねっ!」 

「分かりました。」

(あの馬鹿!)

私は、自分の仕事を中断してDさんの現場に向かった。

現場に着くと機械のエンジンは回りっぱなしで道具は置きっ放しで酷い状況だった。

(あら〜こりゃ〜また、Dさんに何が起こった。)

私は、仕方なく片付けを済ませ、私に電話をくれた現場監督の所に行った。

「すいませんねぇ〜」

「いやいや、まぁ今回は急いでいないから事情が分かったら連絡して下さい。」

「はい、分かりました。」

私は、頭を下げて現場を後にした。

「Dさん電話出ないなぁ」

私はDさんに何度も電話したがDさんは電話に出ない、仕方ないので司社長に電話した。

「もしもし、ネピオンですが!」

「あ〜ネピオンさん、お疲れ様です。」

「お疲れ様です。司社長!聞きました?」

「あ〜聞いた聞いたDの話しね」

「そうです、そうです」

「さっきDからLINEが来てなぁ」

(俺には来てない)

「はい」

「あれの奥さん!とうとう出て行ったらしい」

「あ〜〜」

(マジかぁ〜)

「まぁ〜現場を放ったらかしにして行ってネピオンさんに迷惑かけたみたいで・・・」

「まぁ〜俺も近くの現場だったから」

司社長は恐縮な感じで謝った。

「いや〜済まなかった。」

そして、夕方にDさんから電話が掛かってきた。

「あっ、Dです。」

(やっと掛かってきた。)

「うん、Dさん、何度も電話したんだけどなぁ〜」

「あっ、いや〜すんません!」

「・・・・でっ、どうしたんだ」


Dさんは、ショボれた声で話し出した。

「はい、あの〜M美が・・・M美が・・・」

「まぁ、とりあえず、明日話そうか」

「はい」



     
      ・・・・続く・・・・