「…!!」


先生が持っている注射器を見て、
動揺を隠せない杏。


治療の中でも、小さい頃から
一番苦手なのが注射だった。


逃げ出したい気持ちでいっぱいになり、
慌てて起きあがろうとした。


「ンンッ…」


急に動いたせいで、また頭がふらふらする。